獣医療の高度化に伴い、より正確で確実な診断のためにそれぞれの検査機器の特徴を生かした診察を行っています。
そのため、単純X線検査や超音波検査はもちろん、CT検査装置や内視鏡装置を導入しております。
CT検査は短い撮影時間で検査ができます。検査結果はあらゆる角度から全身の断面像、3D像として診断できるため、
動物のストレスを軽減しながらも、確実にカラダの情報をえられます。

CT

CTとはコンピューター断層撮影:Computed Tomographyの略称です。CT装置ではX線を360°方向から照射し、連続的に断層像を撮影します。
当院では16列マルチスライスCTを導入し、0.5mmスライスでの横断面(輪切り)だけではなく、様々な方向の断層像が撮影できます。同じX線をつかうレントゲン検査よりも病変の部位や形状等の細かい情報を得ることができ、頭蓋内、鼻腔内、脊髄腔内などの骨に囲まれた部位の診断に役立ちます。そのため、椎間板疾患、鼻腔内疾患、骨折、各部位での腫瘍などで使用されます。
また、3D立体像を作成し、困難な病気の手術支援を行ったり、病態の理解をより確実に!よりわかりやすく!することができます。
検査中は全身麻酔をかけ、15~30分くらいかけて行いますので、検査前の動物は絶食絶水になります。

レントゲン検査・超音波検査

レントゲン検査はX線を照射することで各種臓器の形状を描出する検査です。
胸部、腹部をはじめ、様々な部位を単時間で検査可能です。
超音波検査は超音波があてられた部位の断面を画像化した検査です。レントゲン検査に比べ、一度に画像化できる部位の範囲は狭いですが、より詳細な構造を診断することが可能です。
当院では内視鏡検査、術中写真も含め、それらすべての検査画像を診察室でモニターを使ってご説明いたします。
そうすることで検査結果をよりわかりやすく理解していただけます。

内視鏡検査・ビデオトスコープ

内視鏡検査では口または肛門から挿入し、食道、胃、十二指腸、直腸などの消化管を直接観察することができます。また呼吸器検査に使用することも多くあり、鼻腔や気管、気管支を直接観察することができます。観察後は病態によって、組織生検や腫瘤切除、異物除去などをおこなうことができます。その他、胃瘻チューブ設置、食道狭窄に対するバルーン拡張術、消化管ポリープ切除などが適応となります。
ビデオオトスコープ検査とは耳の内視鏡検査あり、特に鼓膜や中耳炎の診断です。そのため従来の耳鏡検査ではできなかった耳道内を画像記録でき、病態の理解を共有したり、比較したりすることで繊細な病態を正確に理解することができます。
また、病変部を直接観察しながら、耳の洗浄や異物除去、腫瘤切除、鼓膜切開などの手術をおこなうことができます。程度にはよりますが、基本的には麻酔下での治療が推奨されています。