ホーム > 特殊治療 > 眼科診療 > 緑内障

緑内障

緑内障とは

緑内障とは眼内圧の上昇を特徴とする視神経に重篤なダメージを与える病気です。激しい痛みに加え、視覚を喪失するなど、生活の質に大きな影響を与えます。そのため緑内障は一般的には緊急疾患といわれ、早急な診断・治療が必要です。
実際は「目が大きくなってきた」、「瞳孔が開いている」、「よくものにぶつかる」などの症状を感じられ、「手遅れ」になってしまうことが多いですが、早期に気づくことができれば、痛みを取り除いたり、視覚を温存したりすることも可能です。

緑内障 緑内障 緑内障

なんで眼内圧が上昇するの?

眼内では房水が一定量に保たれていることで眼内圧が一定に保たれています。房水は毛様体で産生され、水晶体前面から瞳孔を通り、角膜と虹彩の根部(隅角)にある櫛状靱帯(くしじょうじんたい)から流出します。その後、櫛状靱帯から流出した房水は眼外の血管へ出ていきます。
緑内障では何らかの原因で房水の流出が阻害され、眼圧が上昇します。

眼内圧の上昇

原因・分類

① 先天性緑内障
奇形などの形成異常により発症
② 原発性緑内障
遺伝的な要因によるもので、最終的には両眼に発症
閉鎖隅角緑内障(主に)、開放隅角緑内障(稀)
好発犬種-柴犬、ビーグル、コッカー・スパニエル、シーズーなど
③ 続発性緑内障
白内障、眼内腫瘍、網膜剥離などが原因で発症
片眼であったり、両眼であったりする

※主にイヌの場合の分類です。
猫の場合は犬と原因が異なり、眼球の形成異常であったり、ウイルス疾患が関与していることが多いです。

病期分類

① 急性期(急性前期)
発症後48時間以内の緑内障。
ほとんどの場合、目が見える。
ただし、ものすごく目が痛い状態です。
② 移行期(急性後期)
発症後48時間以上たった緑内障。
急性期に比べ視神経にダメージはあるが、まだ目が見えている可能性があります。
③ 慢性期
目は見えておらず、視力の回復も見込めない状態です。
④ 牛眼期
慢性期の眼球が徐々におおきくなった状態で、眼内圧や痛みも落ち着いています。
目を閉じることができなくなることがあるので注意が必要です。

治療

点眼薬

治療において重要なのは、原発性なのか?、続発性なのか?の決定です。
さらに視覚の有無、すなわち見えているかどうかです。

内科的治療
眼内圧を低下させる点眼薬、点滴、内服を複数併用します。
外科的治療
  1. 視覚や眼内圧の回復のための方法
    :房水排出促進効果のある前房シャント術や、房水産生抑制効果のある毛様体凝固術
  2. 疼痛除去のための方法
    :シリコンインプラント挿入術(義眼挿入術)や眼球摘出術